8月, 2011年
違う次元に変身しようとしている
《出会い系サイト運営者第1世代と全く意識の違う第2世代》
「七社会」と呼ばれる会がある。
ここで紹介しているA氏の世代に対して、出会い系「第一世代」とも言うべきグループを、業界で密かにそう呼ぶ。
10年ほど前、いささか乱暴な営業手法で急激に業績を伸ばしたグループだ。
現実に大手が7社あったらしいのだが、統合や淘汰、系列化を繰り返し、現在は7社を名指す事は難しい。
この「七社会」に関しては、様々な逸話が伝えられていて、そのどれもが良くないイメージのものばかりだ。
「移動は無駄にでかいリムジン。社長は後席でふんぞり返り、運転手を足で蹴って方向指示する。同席した客は居心地が悪くて仕方がない」
「誕生日には都心の高級ホテルを貸し切ってパーティーを開く。芸能人を多数呼び、社長は白馬にまたがって登場」
こうした、第一世代をとりまく空気と、A氏に代表される第二世代との間には、とても大きな溝が存在する。
実際、同じ業界なのに第一世代と第二世代の間に、交流らしいものはまったく存在しないのだという。
第二世代は、確実なビジネスモデルとして出会い系を捉えているのだ。
《出会い系は生きたドラマ…ストーリーの中で恋してる》
「うちは出会えない系が主力ですから」
と、A氏は笑った。
その意味は、女性会員からのメールに対して社内のオペレーター(サクラ)が返事を出し、会員は仮想の恋一愛を楽しんでいるのだという。
もちろん、女性会員達が、自分の相手がサクラと認識している訳ではない。
しかしサクラだからこそ、かゆいところに手が届くバーチャルなラブストーリーの主役気分に浸らせてくれるのだろう。
彼女らは、つかの間、日常を忘れて楽しんでいるのだ。
「いろんな人がいます。家の中で居場所がないとか。まさに韓流スターみたいな恋人が欲しかったとか。そういういろんなニーズに応えてあげられるのは、うちみたいなところしかないんです。そこに気がつかないと、たとえ大手といえども潰れていきますよ」
SNS会員の過半数が女性で占められている現在、この傾向は今後も続ぐだろう。
出会い系は、誰も気がつかない間に、まったく違う次元に変身しようとしているのだ。
規正法改正の影響
《出会い系規正法改正の影響はどの程度なのだろうか?》
事件が相次ぐ出会い系に対して、国会はやっと重い腰を上げて、いわゆる「出会い系規制法」を改正。
児童による書き込みの禁止や、事業者の資格についても厳しく締め付ける方針を打ち出した。
一般には、これで出会い系は大きな打撃を受けるだろうと言われている。
しかし実は、業界内では「関係ない。警察は何もわかっていない」という声が、圧倒的だという。
これはどういう事なのか。
引き続きA氏に話を聞く事にする。
「規制法の改正について言えば、ボクも賛成です。かえって良かったと思います。本当にいるんですよ、援助希望の未成年。3万円で買ってくださいとか、5万円で、とか。そういうのは、規制しても規制しても入ってくる。子供ですよ!?うちは書き込みの内容で、これは未成年だな、と判断したら退会させます。やめてもらう。ただ、今回の規制の内容では、状況はほとんど変わらないと思う。結局『出会い系』とうたっているサイトに限定されるし。SNSとか、メール機能のついているゲームサイトは外されている。悩み事相談サイトとか。そういうところで事件は起きているのに、今回は規制がかからなかった。年齢認証にクレジットを使うことになるので、当面は利用者は減るでしょうが、それに対応できる業者は勢力を伸ばすでしょうね」
『出会い Peek-a-boo!』
出会い系規制法にもバッチリ対応しているサイトのみをご紹介していますので、安心してご利用ください。
時代の変化に伴う進化
《2005年、出会いサイトでの男女比が逆転!韓流の原則と奇妙な符合》
「以前は、女性の利用者は全て無料にしていたんです。女性は、お金を払ってまで出会い系を利用しないという概念がありましたから。業界のほとんどがそう思い込んでいたはずです。うちもそうでした。でも、5年ほど前から、女性の利用者が急増しました。そこである時点から、女性も有料にしたんです。落ち込むかと思ったけれど、その後も女性会員は増え続けました。どういう人たちかというと、韓流ファンと同じ層ですね。完全に重なります。そして2005年に、大事件がおこったんです。売り上げの男女比が、ついに逆転したんですよ」
《ポイント代を支払いながら出会い系を利用する女性達》
これは信じがたい話だった。「出会い系」の利用者のほとんどは男性で、女性は無料にでもしなければ登録してくれない。
それが常識だった。
業界の、というよりも、男女の精神構造の基本の常識だった。
しかし、現実にA氏の運営サイトの全てで女性からの収入が平均7割を占めるそうだ。
若い同業者と話しても、同じような状況だという。
だとしたら、「出会い系を支えているのは女性」ということになってしまうのだろうか。
そんなことが、本当にあるのか!?
→『規正法改正の影響』へと続きます
これまでの常識を覆す事態が進行していた!
《出会い系の常識・非常識思い込みが隠した真実!?》
「出会い系について何を知ってますか?」と聞かれたら、あなたはなんと答えるだろう。
悪質な出逢い系は犯罪の温床だ。
児童が興味本位にアクセスし、それを大人が毒牙にかける。
援助交際という名の私的売春のステーションになっている。
そして、そのバックにはやくざ組織が暗躍し、暴力団の資金源になっている。
うっかり個人情報を入力しようものなら、そのデータはあっと言う間にネットで流出し、やがて身に覚えのない架空請求となって返ってくる。
メールの送り手はほとんどがサイト側の屋った「サクラ」だ。
女の名前で送信しているが、かなりの確率で男である。
毎日のように流れる出会い系がらみのニュースから、出会い系に一度もアクセスした事のない人でも、それくらいはすぐに答えることができるはずだ。
その「常識」は、どこまで正しく、どの程度現実から乖離しているのか?
最先端で稼ぎまくっている、現役の若きサイト運営者に、 一番新しい話を聞くところから、この本の短い旅を始めることにしよう。
《出会わない系の女性達…総売り上げの7割を占める》
A氏は、 一見してイベント系のスタッフ、という印象の男性だった。
ジャケットに細身のジーンズ。
指にはシルバーのリングが光っているが、渋谷の街中ではむしろ地味な方だろう。
これ見よがしのリムジンに乗っている訳でもない。
ビジネスバッグを手に下げ、一人で行動し、移動は電車だ。
まさかこの人物が、出会い系サイトを複数持ち、グループの年商が4億円を超えるIT系の社長だとは、誰も気がつかないだろう。
われわれはこのA氏から、これまでの常識を根底から覆す、驚くべき事実を知らされることになる。
「うちのサイトは、原則的に出会えない系です。会員からのメールに返事を出しているのは、すべてうちのスタッフです。そして現在、売り上げの7割は、女性会員からの収入です」
私達は耳を疑った…
→『時代の変化に伴う進化』へと続きます